【ネタバレ】呪術廻戦 27巻「バカサバイバー！！」のネタバレ・感想　　宿儺VS鹿紫雲一 / 乙骨VS羂索

『呪術廻戦』27巻「バカサバイバー！！」では、五条悟の死後、残された高専メンバーと宿儺・羂索（けんじゃく）勢力との激戦が続きます。死滅回游の終盤に向け、登場人物たちの成長や過去が掘り下げられ、戦闘はますます過酷さを増していきます。27巻は第237話から第245話までが収録されており、物語は一層緊張感を持って進行していきます。

第237話「人外魔境新宿決戦⑭」

五条悟の死に対する深い悲しみが漂う中、戦場に現れたのは鹿紫雲一（しかのしぐんはじめ）です。彼は宿儺との決闘を望んでおり、その殺意を露わにしますが、そこへ氷を操る裏梅が上空から巨大な氷塊と共に姿を現します。裏梅は鹿紫雲一を邪魔者と見なし、宿儺の戦いを阻害する存在として排除しようとしますが、そこに秤金次（はかりきんじ）が登場します。

秤は宿儺との戦いを鹿紫雲一に譲るという約束を果たすため、裏梅を領域展開で閉じ込め、宿儺との一騎打ちを促します。しかし、戦場は依然として混沌を極めており、秤の領域内でも裏梅の力は強大で、すべてが一触即発の状態です。さらに、宿儺の手には氷塊から現れた強力な呪具が渡り、次なる攻撃に備える様子が描かれています。

第238話「人外魔境新宿決戦⑮」

鹿紫雲一は、自身の強大な術式「幻獣琥珀（げんじゅうこはく）」を解放し、その力で肉体をさらに強化します。この状態の鹿紫雲一は宿儺を圧倒し、一時は宿儺を追い詰めるかに見えました。しかし、宿儺はこれまでの戦いで負ったダメージを一瞬で修復し、完全な肉体へと変身します。

変身後の宿儺は、さらに強大な力を手にし、鹿紫雲一に対して一気に反撃を開始します。宿儺は新たに得た4本の腕と2つの口で、圧倒的なスピードと力で鹿紫雲一を攻撃し、最後は世界を断ち切る斬撃「解」を放ちます。この一撃は五条悟をも葬った強力な技であり、鹿紫雲一もまたこの斬撃によって無残に倒されてしまいます。

第239話「バカサバイバー！！」

舞台は新宿から岩手県御所湖（ごしょこ）の結界（コロニー）へと移り、ここでは羂索がプレイヤー狩りを行っています。次々と呪術師が羂索に狩られていく中で、女性プレイヤーや黄櫨（はぜのき）も彼の手に落ちます。しかし、高専側はこの状況に対抗するために、一人の刺客を送り込みます。

その刺客こそが、意外な人物、髙羽史彦です。髙羽は普段はお笑い芸人として活躍していますが、彼の術式「超人（コメディアン）」は特殊で、彼が自らの笑いを信じた時に驚異的な力を発揮するというものです。彼は羂索に対しても臆することなく、自らのギャグとネタを繰り出しながら戦闘を進めていきます。

第240話「生き残れ！！」

髙羽は自分の術式を駆使して、羂索の出す式神の攻撃をギャグに変えて無力化します。髙羽が放つギャグのパワーはとてつもなく、羂索さえも術式が通用しない事態に驚愕します。髙羽の術式は彼の「ウケる」という確信があれば、あらゆる事象を現実にしてしまう強力なものです。

しかし、羂索も油断はしません。彼は髙羽との会話を通じて、その術式の本質を探り、髙羽の笑いの根底にある弱点を見つけ出そうとします。そして、髙羽の一発ギャグ「余計なお世Wi-Fi（ワイファーーーイ）」をロジカルに否定することで、髙羽に深い打撃を与えます。この言葉によって髙羽は一時的に自信を失い、術式が発動できなくなってしまうのです。

第241話「勝ち残れ！！」

羂索のロジカルな攻撃により、髙羽は自分の笑いが分からなくなり、内心で自問自答を繰り返します。彼は不遇だったコンビ時代や、なぜ自分が笑いを求めるようになったのかを振り返ります。幼少期、周囲を笑わせることで得た喜びや承認が、髙羽にとっての原点であることが明らかになります。

自らの原点を思い出した髙羽は再び笑いを取り戻し、術式「超人」を再び発動できるようになります。彼はもう一度、自分が何のために芸人をやっているのか、そして戦う理由を見出し、笑いを武器に再び立ち上がるのです。

第242話「舞い上がれ！！」

完全復活を遂げた髙羽は、羂索に対して「笑いで胃袋吐くまで笑わせてやる！」と宣言します。彼は今度は単に自分のギャグを繰り出すだけでなく、羂索のイメージさえも取り込み、それをギャグに変えるという高度な術式を駆使します。髙羽のギャグは止まらず、彼の術式がフルに発動しているため、羂索はダメージを受け続けます。

羂索はあらゆる手を尽くして髙羽を止めようとしますが、髙羽の笑いはどんどんパワーを増し、羂索にとっては止められない脅威となっていきます。この戦いは、単なる呪術戦ではなく、笑いをかけた一種の心理戦とも言えるもので、読者にとっても異色の戦いとして印象に残ります。

第243話「さんざめけ！！」

髙羽の笑いが頂点に達し、羂索も自分だけではこの戦いを終わらせられないと悟ります。そこで、羂索は髙羽に「漫才の相方をしよう」と持ちかけ、二人はまさかのコンビを組んで漫才を始めます。この展開は予想外であり、髙羽と羂索が一緒に舞台で笑いを提供するという、呪術戦からは考えられない展開が繰り広げられます。

漫才が進む中、髙羽は自分の笑いに満足し、ついに術式を止めます。そして、羂索もまた髙羽とのお笑いのやり取りに満足し、笑顔で「超面白かった」と告げます。しかし、この和やかな瞬間は突如として破られます。乙骨が現れ、羂索に奇襲をかけ、髙羽の戦いはここで終わりを告げます。

第244話「人外魔境新宿決戦⑯」

場面は再び新宿に戻り、宿儺との決戦が続きます。ここで登場するのは、虎杖悠仁と日車寛見です。彼らの作戦は、日車の領域展開「誅伏賜死（ちゅうぶくしし）」を使って宿儺の術式を「没収」し、さらには「死刑」を宣告して宿儺を処刑することです。宿儺を一撃で倒すために「処刑人の剣」を使うことを狙って、虎杖たちは準備を進めます。

第245話「人外魔境新宿決戦⑰」

新宿の別の場所では、秤と裏梅の戦いが繰り広げられています。裏梅は早く宿儺のもとに合流するため、氷の術式「霜凪」で秤を攻撃しますが、秤はそのたびに反転術式で傷を治療し、裏梅を驚愕させます。秤の再生能力は驚異的であり、裏梅は宿儺や五条をも凌駕するかのような勢いを感じます。

一方、日車の領域展開が始まり、宿儺が裁かれます。宿儺は「有罪」「没収」「死刑」を自ら受け入れ、さっさと終わらせるように要求します。この不敵な態度に、日車と虎杖はどのように対抗するのかが注目されます。

まとめ

『呪術廻戦』27巻「バカサバイバー！！」は、五条悟の死後も続く過酷な戦いと、髙羽史彦という異色のキャラクターによる笑いとバトルの融合が描かれています。髙羽の術式「超人」は独特で、羂索との心理戦は一風変わった戦いとして展開されました。また、新宿決戦もクライマックスに向かって進んでおり、虎杖や秤たちの奮闘が描かれる中で、宿儺との決戦が一層緊迫感を増しています。

27巻は全体的に戦闘と心理戦が混在した巻であり、今後の展開にも大いに期待が高まる巻となっています。

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