パウエルFRB議長、ジャクソンホール会議で9月利下げを事実上明言
2024年8月23日、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は「ジャクソンホール会議」の講演で、9月17~18日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げを強く示唆しました。パウエル議長は「金融政策を調整すべき時が来た」と述べ、9月の利下げの可能性を事実上明言した形です。
同時に、利下げ幅が0.25%か0.5%になるかは、今後の経済指標、特に8月の雇用統計にかかっていることも指摘。失業率が大きく悪化した場合、景気後退のリスクが高まり、0.5%の利下げが実施される可能性があると考えられます。
この発表を受けて、ドル/円相場は円高傾向に進むことが予想されます。また、米国株価についても、FRBの利下げが効果を発揮し景気がソフトランディングした場合は上昇する可能性がありますが、景気後退のリスクが高まれば株価は再び下落する可能性もあります。
株価の短期的な振れで一喜一憂しないために
日経平均株価は、今後もしばらく不安定な動きを見せるかもしれませんが、短期的な振れに一喜一憂しないことが重要です。日本経済が拡大基調を維持している限り、日経平均株価の上昇トレンドは基本的に変わりません。冷静な視点で長期的な市場の動きを捉えることが必要です。
しかし、短期的な為替変動や米国株価の急な変化に対して不安を感じることもあります。そこで、以下ではドル/円相場や米国株価がどのように日経平均株価に影響を与えるかを数値的に把握できるよう、マトリックス形式で整理してみます。
ファンダメンタルズによる日経平均株価の推計
日経平均株価に対する為替や米国株価の影響を試算するために、以前紹介した推計式を使用します。例えば、NYダウの終値が4万1,175ドル、1ドル144円、日本の10年金利が0.875%の条件下で、日経平均株価を推計すると3万8,064円という値が得られ、実際の終値とほぼ一致しています。
日経平均株価に与える為替と米国株価の影響
次に、ドル/円相場とNYダウの変動がどのように日経平均株価に影響を与えるか、マトリックス形式で示します。
1. ドル/円相場が10円円高になると、日経平均株価は約786円下落
この推計によれば、ドル/円が10円円高に振れると、日経平均株価は約786円下落します。現在の環境下では、NYダウが4万1,000ドル、1ドル145円のときの日経平均株価は約3万8,054円ですが、10円円高になると3万7,268円に下がる計算になります。
2. NYダウが1,000ドル下落すると、日経平均株価は770円下落
また、NYダウが1,000ドル下落すると、日経平均株価は770円下落します。これを踏まえると、現在の3万8,054円から770円安の3万7,284円に下がる可能性があることが分かります。
景気が拡大する場合の日経平均株価の見通し
日本の景気が今後拡大し、長期金利も上昇していくシナリオを仮定すると、日経平均株価はどうなるでしょうか?2026年までに日本の10年金利が2%を超えると想定した場合、景気が順調に拡大すれば、日経平均株価は4万円を超える可能性があります。
たとえ円高や米国株価の下落があっても、景気が拡大していれば、日経平均株価は再び4万円を超えることが期待されます。
まとめ
株価の短期的な振れに一喜一憂せず、長期的な市場の動向に注目することが重要です。為替や米国株価の変動による日経平均株価への影響を冷静に把握し、適切な投資判断を行うことが成功の鍵です。
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