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「株主優待がほしい」でも「株価下落リスクを負いたくない」なら「つなぎ売り」

株式投資

9月は株主優待の権利が得られる人気銘柄が多く、投資家にとって注目の月です。この記事では、株価下落リスクを回避しながら株主優待を獲得できる「つなぎ売り」という手法を解説します。


1. 9月は株主優待の人気銘柄が豊富

9月は、株主優待の権利が確定する銘柄が多く、投資家にとって魅力的な月です。しかし、株式を保有することで優待を得られる一方、株価変動のリスクも同時に負うことになります。

そんなリスクを回避しながら優待だけを手に入れるための方法が、**「つなぎ売り」**です。つなぎ売りは、信用取引を利用することで、株価の下落リスクをヘッジしつつ、優待を獲得する手法です。


2. 「つなぎ売り」とは?

つなぎ売りは、保有している株を売却せず、信用取引を使って同じ銘柄を借りて売る方法です。これにより、株価が下がった場合でも、株価の下落リスクを避けながら、株主優待を得ることができます。以下のステップで「つなぎ売り」が行われます。


2-1. 「つなぎ売り」のステップ

  1. 現物買いと信用売りを同時に行う
    例として、9月末に優待権利が得られるA社の株100株を現物買いし、同時にA社株100株を信用取引で売ります。この取引は、同一銘柄の現物買い信用売りを同時に行う「クロス取引」と呼ばれます。
  2. 権利確定後、現渡で決済
    権利確定日(9月末)を過ぎたら、保有している現物株を、信用で売建した株の返済に充てます。これを「現渡(げんわたし)」と言い、この操作で取引が完了し、優待のみを取得することができます。

2-2. 「つなぎ売り」の仕組みとリスク回避

  • 株価が下がる場合:たとえば、1,000円で買った株価が900円に下がると、現物株では1万円の含み損が出ますが、信用売りでは1万円の含み益が出るため、トータルで損失は発生しません。
  • 株価が上がる場合:逆に株価が1,100円に上がった場合も、現物株で1万円の含み益が出ますが、信用売りで1万円の含み損が出るため、こちらも損益は相殺されます。

つなぎ売りは、株価変動によるリスクを回避しながら優待を取得するために非常に有効な手法です。


3. 優待獲得のタイミング

9月の権利確定日は、2024年9月30日(月)です。しかし、優待権利を得るためには、権利付き最終売買日(9月26日(木))までに株を購入する必要があります。この日までに「つなぎ売り」を行い、9月27日(金)に現渡で決済することで、優待を取得できます。


4. 「つなぎ売り」のコストを考慮

つなぎ売りを行う際には、以下のようなコストがかかることがあります:

  1. 貸株料
    信用取引で株を借りて売る際にかかる費用。
  2. 売買手数料
    一部の証券会社では売買手数料が発生しますが、楽天証券の「ゼロコース」を選択している場合は手数料がかかりません。
  3. 逆日歩(ぎゃくひぶ)
    制度信用取引を利用する場合に、株の需給バランスが崩れたときにかかる追加費用です。ただし、楽天証券の一般信用取引を利用すれば、逆日歩は発生しません。

5. つなぎ売りの注意点:コストとメリットのバランス

「つなぎ売り」を行う際には、かかるコストが優待のメリットを上回らないよう注意する必要があります。具体的には、貸株料や手数料が、優待で得られるメリットを相殺しないかを確認することが大切です。

たとえば、A社の優待が1,000円相当であっても、貸株料や逆日歩などでそれ以上のコストがかかる場合は、メリットが減少する可能性があります。


6. 優待の確定スケジュール

  • 権利付き最終売買日:9月26日(木)
  • 権利落ち日:9月27日(金)
  • 受渡日:9月30日(月)

これらの日程を踏まえ、「つなぎ売り」のタイミングを見極め、優待を獲得しましょう。


まとめ:株価リスクを回避しながら優待を獲得する「つなぎ売り」

株主優待は魅力的ですが、株価の下落リスクが気になる方も多いでしょう。そのような場合に、つなぎ売りを活用することで、株価変動によるリスクを負わずに優待を手に入れることができます。

9月は株主優待の人気銘柄が多い月ですので、このタイミングを逃さず、つなぎ売りを活用して優待を賢く獲得しましょう。ただし、コストや逆日歩のリスクを十分に理解し、慎重に取引を進めることが大切です。

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