【ネタバレ】呪術廻戦 9巻「玉折」徹底解説と感想|五条悟と夏油傑の別れ、過去編の結末と呪詛師誕生の瞬間

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【ネタバレ】呪術廻戦 9巻「玉折」徹底解説と感想|五条悟と夏油傑の別れ、過去編の結末と呪詛師誕生の瞬間

『呪術廻戦』第9巻「玉折」では、五条悟と夏油傑の過去を描いた「懐玉編」のクライマックスと、続く「玉折編」が展開され、彼らの友情が崩壊する運命の瞬間が描かれます。さらに、現代の「宵祭り編」の序章が始まり、物語は再び現代の呪術高専の生徒たちの戦いへとシフトしていきます。この巻は、五条と夏油の関係が大きく変化するエピソードであり、彼らの過去と現在が交錯する瞬間を鮮烈に描いています。

この記事では、第9巻の各エピソードを詳細に解説し、五条と夏油の運命的な分岐点や、伏黒甚爾との激闘、夏油が呪詛師への道を選ぶまでの過程について深掘りしていきます。さらに、物語のテーマやキャラクターの内面的な葛藤についても考察し、次巻への期待を込めた展望をお届けします。


目次

  1. 第9巻の概要と見どころ
  2. 表紙解説:夏油傑の登場
  3. 第71話 懐玉-漆-:伏黒甚爾の奇襲
  4. 第72話 懐玉-捌-:五条悟の死
  5. 第73話 懐玉-玖-:夏油の激怒と復讐
  6. 第74話 懐玉-拾-:五条の復活と新たな力
  7. 第75話 懐玉-拾壱-:虚式「茈」による決着
  8. 第76話 玉折:夏油傑の信念の揺らぎ
  9. 第77話 玉折-弐-:夏油の心の変化と呪詛師への道
  10. 第78話 玉折-参-:非術師の虐殺と夏油の決断
  11. 第79話 これからの話:伏黒恵との出会いと未来の伏線
  12. 過去編の総括と考察
  13. 次巻への期待と予測

1. 第9巻の概要と見どころ

『呪術廻戦』第9巻では、物語が大きく動きます。五条悟と夏油傑の過去を描く「懐玉編」がクライマックスを迎え、彼らの関係が決定的に崩壊する様子が描かれます。特に、夏油が呪詛師としての道を選ぶまでの過程や、五条がいかにして「最強」の名を冠する存在へと成長したのかが明らかになります。物語の大きなテーマである「非術師と術師の間の対立」や「人間の弱さと強さ」が、この巻で一層深く掘り下げられています。


2. 表紙解説:夏油傑の登場

9巻の表紙は、夏油傑が飾っています。彼は、この巻で大きな決断を下し、五条と決別するキャラクターとして描かれています。彼の表情や姿勢は、かつての親友であり最強の呪術師である五条悟との友情に対する思いが込められているようです。表紙は物語の核心に迫るシンボルとも言え、夏油の心情を象徴しています。


3. 第71話 懐玉-漆-:伏黒甚爾の奇襲

物語は、五条悟が伏黒甚爾の奇襲を受けるシーンから始まります。五条が術式を一時解除した瞬間、甚爾は背後から奇襲を仕掛け、五条の腹部を特級呪具「天逆鉾」で刺します。五条は致命傷を免れつつも、その後も甚爾の素早い攻撃に圧倒されます。甚爾は、呪力を使わない特異な戦い方をするキャラクターであり、その圧倒的な身体能力により、五条でさえも苦戦を強いられます。

このシーンでは、五条が人間としての脆さを露わにしつつ、甚爾の凄まじい力と戦略が強調されています。読者はここで、最強と言われる五条悟にも限界があることを目の当たりにします。


4. 第72話 懐玉-捌-:五条悟の死

伏黒甚爾は、特級呪具「天逆鉾」を使って五条悟の首を貫き、彼の術式を強制的に解除させます。無防備となった五条は、甚爾に何度も刺され、ついに殺されてしまいます。この瞬間、五条が無敵ではないことが明らかになり、物語は大きな転換点を迎えます。

一方で、夏油傑は天内理子を護衛し、高専の薨星宮へ向かいますが、天元との同化を拒否する選択を取ります。彼女を安全な場所へ連れ戻そうとするものの、そこに現れた伏黒甚爾が彼女を無情にも銃で撃ち殺してしまいます。この出来事は、夏油の心に大きな衝撃を与え、彼の信念を揺さぶる契機となります。


5. 第73話 懐玉-玖-:夏油の激怒と復讐

天内理子を失った夏油傑は、伏黒甚爾に対して激しい怒りを爆発させます。彼は甚爾に対し、復讐を誓いますが、逆に甚爾に返り討ちに遭い、致命的なダメージを負わされます。甚爾は、夏油を殺すことはせず、その力に興味を持ちつつも、彼を放置します。天内理子の死体は、甚爾によって奪われ、夏油の無力さが浮き彫りになります。

このエピソードでは、夏油の限界と彼が抱える無力感が描かれ、非術師に対する失望が一層強まっていきます。天内の死は、夏油の信念を大きく揺さぶるだけでなく、彼の未来に対しても決定的な影響を与えることになります。


6. 第74話 懐玉-拾-:五条の復活と新たな力

一方、五条悟は死の淵で新たな力に目覚めます。彼は呪力の核心に触れ、反転術式を発動することで自らを治癒し、死の淵から復活します。これによって、五条はさらに強力な存在へと成長し、反転術式を完全に使いこなせるようになります。

復活を果たした五条は、伏黒甚爾に対して新たな術式反転「赫」を使用し、再び戦いに挑みます。このシーンでは、五条が最強の呪術師としての力を完全に開花させる瞬間が描かれ、物語のハイライトの一つとなります。


7. 第75話 懐玉-拾壱-:虚式「茈」による決着

五条悟は反転術式「赫」を駆使し、伏黒甚爾を圧倒します。しかし、甚爾も簡単には引き下がらず、再び五条に立ち向かいます。五条は、順転と反転の無限を衝突させることで生み出される仮想の質量を使い、虚式「茈(むらさき)」を発動。

この術式は、順転と反転を組み合わせた五条の新たな技であり、甚爾を圧倒的な力で吹き飛ばし、ついに致命傷を与えます。甚爾はその場で崩れ落ち、五条の勝利が確定します。この戦いは、五条が「最強」としての完全な力を覚醒させた瞬間でもあり、伏黒甚爾という強敵を倒すことで、呪術界での彼の絶対的な立場が確立されました。

一方で、この戦いの結末は単なる勝利にとどまらず、五条の心にも大きな影響を与えます。彼はこの戦いで死を間近に経験し、呪力の核心に触れることで、さらに強大な存在へと変わり果てますが、その強さゆえに孤独感も同時に強まります。戦いの終わりは、彼の成長と同時に、彼の精神的な変化を示す象徴的なシーンとして描かれています。


8. 第76話 玉折:夏油傑の信念の揺らぎ

天内理子の死、そして伏黒甚爾との戦いの結末から1年後、物語は2007年8月に移ります。この時点で、五条悟はさらなる成長を遂げ、「最強」としての名声を不動のものにしていました。彼は数々の危険な任務を単独でこなし、すでに他の術師たちからも一目置かれる存在となっています。一方、夏油傑も呪術高専で活動を続けていますが、彼の中には天内理子の死をきっかけに生まれた、非術師への不信感と迷いがくすぶり始めていました。

この章では、夏油が過去の出来事に深く悩み、自らの信念が揺らいでいく様子が描かれています。かつては非術師を守ることに誇りを持っていた夏油ですが、天内の悲劇を目の当たりにし、非術師を守る意味に疑問を抱き始めます。家入硝子との会話や、五条の力の圧倒的な成長を目の当たりにする中で、夏油は次第に孤独感を強め、非術師を軽視する思考が芽生えていきます。


9. 第77話 玉折-弐-:夏油の心の変化と呪詛師への道

夏油傑は、高専を訪れた特級呪術師・九十九由基との出会いを通じて、呪術界に対する考え方をさらに変えていきます。九十九は、呪霊が生まれない世界を作るための方法を模索しており、夏油とその議論を交わします。この会話の中で、夏油は「非術師を皆殺しにすれば呪霊の発生を防げる」という極端な結論にたどり着くものの、その時点ではまだ行動に移すことはありません。

九十九との会話は、夏油の中に眠っていた非術師に対する敵意を引き出すきっかけとなります。夏油は、この時点ではまだ決断を保留しているものの、彼の心には徐々に「非術師の存在こそが呪霊を生む原因である」という考えが根付いていきます。彼の信念が揺らぐ中、夏油はある村での任務に赴き、そこで最終的な決断を下すこととなります。

この村では、呪術師の少女たちが非術師たちから虐待され、閉じ込められている現場に遭遇します。夏油はこの光景を目の当たりにし、彼の中で非術師に対する憎悪が一気に膨れ上がります。彼はこの時、自分が守ろうとしてきた非術師たちが呪術師を恐れ、抑圧し続ける存在であることを実感し、ついに彼自身の信念が崩壊していく瞬間を迎えます。


10. 第78話 玉折-参-:非術師の虐殺と夏油の決断

非術師に対する憎しみが頂点に達した夏油は、旧■■村の集落で112名の非術師を皆殺しにします。この残虐な行為は、夏油が呪詛師として歩むことを決定づけるものであり、彼の人生を大きく変える瞬間となります。夏油は、非術師たちを抹殺し、術師だけの世界を作るという過激な理想を掲げ始めます。この理想は、彼がかつて信じていた「弱き者を守る」という信念から180度変わったものであり、彼の精神的な崩壊と再構築が描かれています。

この事件を受け、夏油は呪術界から追われる立場となり、呪詛師として指名手配されます。五条悟もこの事件について聞かされ、夏油が112名の非術師を虐殺したことを信じられないまま、混乱と失望の中に落ち込みます。

五条は、夏油が起こした事件の真相を確かめるために、彼の行方を探し始めます。この時点で、五条と夏油の友情は大きな危機を迎え、二人の道が決定的に分かれていくこととなります。


11. 第79話 これからの話:伏黒恵との出会いと未来の伏線

物語は、五条悟が伏黒甚爾の息子である伏黒恵と出会うシーンへと移ります。まだ小学生であった伏黒恵に対して、五条は「僕に置いていかれないくらい強くなってよ」と声をかけます。この出会いが、後に伏黒恵が五条の弟子となり、呪術高専での活躍へと繋がっていくきっかけとなります。

五条は、伏黒甚爾の過去を知っているからこそ、彼の息子である伏黒恵に対して特別な期待を抱いています。このシーンでは、伏黒恵の成長と彼が将来的に五条と同等の力を持つ存在になることが予感されます。

また、物語はここで2018年10月に戻り、現代の呪術高専の生徒たちの戦いが再び描かれ始めます。呪詛師と通じている内通者の存在が明らかになり、歌姫や虎杖悠仁、伏黒恵たちが協力して内通者を捕えるための作戦を進めていくシーンが描かれます。この現代の物語が「宵祭り編」へと繋がり、さらに長編の「渋谷事変編」への伏線が張られ始めます。


12. 過去編の総括と考察

『呪術廻戦』第9巻は、五条悟と夏油傑の関係が決定的に変わるエピソードであり、二人の友情が崩壊するまでの過程が克明に描かれています。天内理子の死をきっかけに、夏油は非術師に対する不信感と憎悪を募らせ、最終的に呪詛師としての道を選びます。この選択は、彼がかつて抱いていた理想とは真逆のものであり、その精神的な崩壊と再構築が非常に印象的です。

一方で、五条悟もこの事件を通じてさらに強大な力を手に入れるものの、その力の代償として孤独感を深めていきます。最強であるがゆえに周囲との距離を感じる五条は、夏油との別れによってさらに孤独な存在となり、物語の中での彼の心情が一層複雑なものになっていきます。


13. 次巻への期待と予測

次巻では、現代の物語が本格的に再開され、呪詛師との対決や内通者の捕縛に向けた展開が進むことが予想されます。特に、五条と夏油の関係が現代の呪術界でどのように影響を与えていくのか、また伏黒恵の成長や虎杖悠仁たちの新たな戦いがどのように描かれるかが注目されます。

さらに、夏油が呪詛師としてどのような活動を展開し、五条との再会がどのように実現するのか、物語の行方がますます楽しみです。

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