75歳以上の「医療費3割負担」拡大を検討 政府が高齢社会対策大綱を決定

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2024年9月13日、政府は新たな高齢社会対策大綱を閣議決定しました。この大綱では、75歳以上の後期高齢者を対象とした医療費の窓口負担に関する見直しや、孤立する高齢者への支援強化が明記されています。

1. 75歳以上の医療費負担に関する変更の可能性

現在、75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担は、原則1割、一定の所得がある場合は2割、さらに現役並みの所得がある場合には3割負担となっています。今回の大綱では、3割負担の対象範囲を拡大することが検討されています。これにより、所得に応じて、75歳以上であっても現役世代と同様に負担する高齢者が増える可能性があります。

この見直しは、昨年閣議決定された社会保障改革工程を踏まえており、2028年度までに検討を進める予定です。政府は、高齢者社会における財政負担を減らすため、年齢に関係なく能力に応じて負担を分担し、社会全体で支え合うシステムを模索しています。

2. 高齢者の孤立防止と支援強化

高齢化の進行に伴い、1人暮らしの高齢者の増加が予測されています。このため、政府は高齢者が孤独や社会的孤立に陥らないようにするための対策を強化します。具体的には、地域での居場所づくりや、身寄りのない高齢者へのサポートを推進することが大綱に盛り込まれています。

また、身元保証サービスの提供事業者とのトラブル防止や、適正な事業運営を促すことも重要な課題とされています。これにより、サービスの質が向上し、身寄りのない高齢者が安心して暮らせる環境を整える狙いです。

3. その他の高齢者関連施策

今回の大綱では、在職老齢年金制度の見直しについても言及されています。この制度は、一定以上の賃金がある高齢者の厚生年金を減額する仕組みで、賃金と年金のバランスを見直すために検討されています。ただし、報告書にはこの制度の見直しが記載されているものの、大綱への直接的な明記は避けられました

4. 高齢社会対策大綱の改定

今回の大綱は、中長期的な高齢化対策の指針となるもので、5年ごとに見直されます。前回の改定は2018年に行われたため、今回の改定は6年ぶりとなります。政府は、この大綱に基づき、高齢化社会における課題に対応していく予定です。

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