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『ラストマイル』キャスト・あらすじ・ネタバレ考察|物流業界を舞台にした話題作の魅力とは?

ドラマ/映画

あらすじ解説

テレビドラマ「アンナチュラル」「MIU404」の監督・塚原あゆ子と脚本家・野木亜紀子が再タッグを組み、両シリーズと同じ世界線で起きた連続爆破事件の行方を描いたサスペンス映画。

流通業界最大のイベントである11月のブラックフライデー前夜、世界規模のショッピングサイトの関東センターから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生し、やがて日本中を恐怖に陥れる連続爆破事件へと発展する。関東センター長に着任したばかりの舟渡エレナは、チームマネージャーの梨本孔とともに事態の収拾にあたるが……。

主人公・舟渡エレナを満島ひかり、梨本孔を岡田将生が演じ、事件に巻き込まれる関係者役で阿部サダヲとディーン・フジオカ、捜査を担当する刑事役で「アンナチュラル」の大倉孝二と「MIU404」の酒向芳が出演。さらに「アンナチュラル」から三澄ミコト役の石原さとみ、中堂系役の井浦新、久部六郎役の窪田正孝ら、「MIU404」から伊吹藍役の綾野剛、志摩一未役の星野源らが再結集する。主題歌も「アンナチュラル」「MIU404」に続き米津玄師が担当した。

評価・感想

ハンムラビ法典には、同害報復を表す有名な「目には目を、歯には歯を」の文言がある。この血讐法は、どれだけ社会が高度に発展しても、人間の感情の発露として、捨て去ることはできないかもしれない。〈DAILY FAST〉により、恋人を過労自殺に追い込まれた筧まりかの復讐は、荷物に爆弾を仕掛け、デリファスという会社の信用を失墜させることだったように見える。が、それは表面的だ。彼女が本当にしたかったことは、山崎佑とデリファス、そしてそれを取り巻くシステムを「同じ状態」にしてやること。つまり「機能停止」だ。
物流は都市のメタボリズムの生命線だ。それを止めると、メタボリズム(代謝)が不全に陥る。山崎のような「植物状態」に。物流のラストマイルの末端で、筧は自壊し、目的を完遂した。そう、労働者のストライキを惹起した。山崎が万が一目覚めても、筧はもういない。しかし、働く人たちの環境が1ミリでも改善されていれば、それが彼への世界の贖いになるだろう。
山崎がロッカーに残した謎のメッセージは、飛び降り自殺でベルトコンベアの流れを止める、というほのめかしだった。同時に、おそらく、利益最優先で何らかの不正を行っていた五十嵐に関する内部告発ではないか。
私たちのために「システム」があるのではなく、「システム」のために私たちがいる。近代社会の複雑化により、私たちは程度の差はあれ、「システムの奴隷」になった。その部品である自分が壊れることで異議申し立てをする。荷物がちゃんと届くことの「奇跡」の代償は、存外巨大なのかもしれない。

 などとタイトルに銘打っても私は詳しい現場の事情は知らないのですが、業界の網羅っぷりが凄まじい。業界のトップから配送センター、運送業者、末端の運送屋に、荷物を受け取る家族まで、それぞれの狂おしい事情を見事に噛み合わせて、物流全ての絵巻を画ききった凄まじい社会派サスペンス。
とはいえ、本当にリアルに再現されているかどうかは、自分には判らないけど。仮想の運送業者、配送センター、ウェブサイトや広告動画まで作り込みは凄いけど、こうした事件があった場合の企業の対応、警察の動きは本当にこれで良いのか。議論を呼ぶかもしれないけれど、やっぱり自分には判らない。その辺、評論家の方にお願いします。ただ、広告はワザとだろうけど、映像が暗いなあw 本当はもっと楽しげですよね。
でもまあ、本当にそれぞれの対応が正しいのか疑問に思うほど、「お前はいったい何と戦っているんだ」といちいち問いかけたくなるほど、問題は爆破事件なのに、それぞれの都合に振り回され、例え爆破の被害者が出ようとも配送を止めるわけにはいかないトップの事情。むしろ犯人よりも悪役に見えるけど、仕事に振り回される人なら痛いほどよく判る使用人ならではのストレス。
そう、むしろ犯人が戦っていたのはそのストレス。事件の動機ともいうべき「ブラックフライデーが恐ろしい」という、彼氏の言葉を伝える彼女のシーンが凄まじかった。恐らく、自分の映画鑑賞体験のトップランクに入ると思う。日の丸構図に近い役者を中央に置いたインパクト。そしてむしろ人物を小さく、広く開けた空間が痛いほど心境を物語る。キューブリックのシンメトリーとか、この手の構図が好きな私には、エグイほど突き刺さった。むしろ犯人が自らの死をトリックに使う壮絶さよりも。
ただ、ロッカーの落書きの意味が自分にはつかみ取れなかった。どういうことだろう。身投げによる自分の死を持って物流を壊してしまいたかったのだろうか。それほどに頑なで酷薄な社会のシステムに訴えかけたかったのか。それとも、「飛び込めば、全てから逃れられる」という仕事に押しつぶされてしまった者の心理か。
それ故に、爆破事件の解決よりも、トップにストライキで訴えかける逆転劇こそが、この映画のクライマックスだったのでしょう。本当に戦うべき相手は誰なのか。本当の事件は何か。それはむしろ爆破事件なのではなく。
とにかく、幸せな人がほとんどいない、見ていて辛い映画だったのは否めない。わずかな合間で語られる、離婚に至った陰鬱な家族の事情が、お届け物で笑顔になった。それだけが最大の救いであったような気がします。
いや本当に、仕事が辛くなったら、みんな逃げよう。後のことは気にせず、退職届なんか後回しで良いから一目散で。

「アンナチュラル」と「MIU 404」は見ていないけれど、すごく楽しめたし、歯ごたえ抜群の社会派ドラマだった。というより、2本のテレビドラマの要素はあまり多くないのでは。初見の人の方が楽しめるんじゃないかとすら思った。
舞台は、巨大ショッピングサイトの物流センター。ブラックフライデーに向けて大忙しの中、配達物が爆弾とすり替えられて、死者も出てしまうが、繁忙期に物流を止めたら、経済的な損失が大きい。警察の捜査も迫る中、犯人捜しと経済活動を両立させるために主人公たちがもがく様を、上層部や配送センターの下請けの従業員など多数の関係者のエピソードを交えながら描いている。
そもそも、ブラックフライデーはアメリカのサンクスギビングの後の金曜日の安売りデーのことなのだが、なんでサンクスギビングのない日本でそんなのやってるんだと改めて思わされる内容である。もう、単に商品売る側が何でもいいから理

思っていたよりずっと骨太の、私もよく利用している某外資系大企業の物流問題を扱った社会派のミステリー作品だった。このトピックを取り上げた勇気とガッツに拍手を贈りたい。

爆弾を仕掛けたのは誰なのか、その過程で浮き彫りになる企業の過酷な利益追求の姿や運送業の仕組みなど(そもそも舞台となる巨大な物流倉庫の圧巻の内部やそこで働く8000人だったかの契約労働者の出勤風景に驚いた)色々と興味深く観た。

終盤で急にストーリー展開が巻かれ始めるので、私的には、爆弾の数をめぐって頭がついていかず置いてけぼりになりそうになったけれども、あとで振り返ったら理解できたのでよかった;笑

2回、鑑賞しました。期待し過ぎたのもかもしれないけれどストーリーが雑過ぎだと感じました。出演者の演技は素晴らしい方が多かったと思うのですが(それに助けられていた感がかなり強いです)私にはエレナの演技が煩すぎて疲れるというか、もう少しナチュラルにならないのかと思いました(個人の感想です)。主役二人のアンバランスなバディ感、佐野親子、八木さんはとても良かったと思います。
体感的には★3つなのですが、今後更にもっと問題になっていくであろう物流問題、やりがい搾取的な労働問題と言う社会問題を上手く扱っていたということで3.5とさせていただきました。

ほしいものが手元に届くまでにどれだけの人が関わっているのか、その関わる人たち一人ひとりがどんな考えや想いを持っているのか、それを支える今の日本のシステムがどれだけ課題を抱えているのか、そんなことがギュっとパッキングされて届いた感じがしました。
今の便利さや利益優先の発想が本当に私たちがほしいもの、求めるべきものなのか、そんなことを考えさせられました。少なくとも、犠牲になる人を出しながら支えられるものではないですよね。
受け取る側も届ける側も笑顔になれる本当の意味での「WinWin」な関係、そういうものを目指したいですよね。

犠牲者が出てもベルトコンベアを動かし続けた男性リーダーと課題解決に快活に行動した女性リーダー。やっぱり物事を変えられるのは女性、だから日本は変われないっていうメッセージだったでしょうか。

映画『ラストマイル』は、現代社会の物流業界を舞台にしたサスペンス映画で、ブラックフライデーの前夜に起こる連続爆破事件を軸に展開します。物流センターの新任センター長として着任した舟渡エレナ(満島ひかり)と、チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)**が事件の真相に迫る中、物流業界の裏側と登場人物たちの複雑な人間関係が浮かび上がってきます。


スリリングなストーリーとリアリティ

本作の魅力は、物流業界が抱える課題をテーマに、緊張感あふれる展開で描かれるサスペンス要素です。物流システムの脆弱性や労働者の苦悩がリアルに描かれ、社会問題とエンターテインメントが見事に融合しています。観客は、主人公エレナと孔が事件の背後に隠された真実に迫る過程で、次々と明らかになる驚愕の事実に引き込まれることでしょう。


豪華キャストが集結!『ラストマイル』の魅力

映画『ラストマイル』には、実力派俳優たちが勢揃いしています。彼らの演技力が、物語の緊迫感を一層高めています。

キャスト 役名 キャラクター説明
満島ひかり 舟渡エレナ 物流センターの新任センター長。冷静な判断力とリーダーシップを発揮し、事件解決に奔走する。
岡田将生 梨本孔 エレナの右腕となるチームマネージャー。事件解決に不可欠な冷静さと行動力を持つ。
ディーン・フジオカ 五十嵐道元 エレナの上司で、日本支社の統括本部長。事件の裏に隠された深い闇を抱えている。
大倉孝二 毛利忠治 警視庁の刑事で、事件の捜査に重要な役割を果たす。
阿部サダヲ 八木竜平 物流会社の関東局局長。ユニークなキャラクターで物語に彩りを加える。
石原さとみ 三澄ミコト 法医解剖医として、事件の真相解明に重要な役割を果たす。
井浦新 中堂系 独自の視点を持つ法医解剖医で、物語に深みを与える。
星野源 志摩一未 警視庁刑事部の刑事。冷静な判断力を持ち、事件解決に尽力する。
綾野剛 伊吹藍 警視庁刑事部の熱血漢刑事。事件解決に向けて奮闘する。

塚原あゆ子監督と野木亜紀子脚本の強力タッグ

映画『ラストマイル』の監督を務めるのは、塚原あゆ子監督。これまで『アンナチュラル』や『MIU404』といった社会問題を鋭く描く作品で高い評価を受けてきました。塚原監督の緻密な演出と野木亜紀子脚本の組み合わせにより、映画は社会派サスペンスとしての完成度を高めています。

野木亜紀子は、現代社会の問題に鋭く切り込むストーリーテリングで知られ、『アンナチュラル』では法医学をテーマに、社会のリアルな問題を描き出しました。『ラストマイル』でも、物流業界の現実や労働者の苦悩に焦点を当て、観客に深い感銘を与えるストーリーを展開します。


映画『ラストマイル』の見どころ

1. 緊迫感あふれる連続爆破事件

『ラストマイル』では、ブラックフライデー直前に起こる連続爆破事件が物語の中心となります。物流業界における重要な時期に発生するこの事件が、どのようにして業界全体に影響を与えるのか。そして、エレナと孔がどのようにしてその裏に潜む真相を解き明かすのか、手に汗握る展開が続きます。

2. キャラクターの成長と人間ドラマ

エレナと孔が事件を通じて成長し、二人の絆が深まっていく様子が描かれます。エレナは、物流センターの管理者としてのプレッシャーに立ち向かい、孔と共に事件の真相を追います。彼らの成長と人間ドラマが、物語に深みを与えます。

3. 物流業界のリアルな描写

映画は、現代の物流業界が抱える問題点を鋭く描いています。過酷な労働環境効率化による犠牲といった現実が、エンターテインメントとして描かれる中で、観客に深いメッセージを伝えます。


各レビューサイトで高評価

公開直後から、映画『ラストマイル』は多くの映画ファンや批評家から高い評価を受けています。

レビューサイト 評価 評価内容
映画.com ★★★★★ 4.5/5 緻密なストーリーテリングと豪華キャストの演技が高評価。特に、伏線の回収や緊張感あふれる演出が絶賛されています。
Filmarks ★★★★★ 4.2/5 物流業界のリアルな描写や、社会問題を鋭く描いた脚本が称賛され、多くのユーザーから高得点を獲得。
Yahoo!映画 ★★★★★ 4.3/5 満島ひかりや岡田将生など、主要キャストの演技が高く評価され、緊張感のあるストーリー展開が支持されています。
Amazon ★★★★★ 4.4/5 緊張感あふれるストーリー展開とリピート視聴を推奨する声が多数見られ、ユーザーからの満足度が高い映画となっています。

映画『ラストマイル』最後のシーンに込められたメッセージ

ラストシーンでは、主人公の舟渡エレナが物流センターの運営を一時停止する決断を下します。効率を追求する物流業界の現状に対して、労働者の安全を優先するという強いメッセージが込められています。この決断は、エレナが物流業界で働く人々の苦悩に寄り添い、変革を求める姿勢を象徴していると言えるでしょう。


総評:物流業界の闇を描いた衝撃のサスペンス映画

映画『ラストマイル』は、緻密なストーリーテリング豪華キャストの演技が融合した見応えのあるサスペンス映画です。物流業界を舞台に、連続爆破事件を追う緊迫感あふれる展開と、労働者の苦悩を描いたリアルな物語が、観客を強く引き込むこと間違いなしです。

満島ひかり岡田将生の演技は特に素晴らしく、二人の成長と絆が物語の中でしっかりと描かれています。さらに、社会問題への鋭い視点が込められた脚本も魅力であり、観終わった後も深い余韻を残す作品です。

物流業界に興味を持っている方や、社会派サスペンスを好む方には、ぜひ見逃してほしくない映画です。この冬、物流業界の闇に迫る緊迫のドラマをぜひ劇場でご覧ください。

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